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李清照(り せいしょう)

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李清照は、北宋末期に活躍した女流詞人。自らを「易安居士」と号しました。

感情の機微を見事に表現した、自然で親しみやすい詞が特徴です。日本ではあまりなじみがありませんが、中国では、高い人気を誇っています。

「詞家の三李」李清照の生い立ち

李清照は数々の詞・詩・文を書き残していますが、動乱の世に生きた人物ということもあり、彼女の作品はあまり残されていません。

しかし、中国の人民文学出版社から出版された「李清照集校」には、彼女が残した詩や詞、文が多数掲載されています。もちろん、失われた作品すべてを網羅しているわけではありませんが、彼女の才気を十分にうかがい知れる一冊です。

李清照は18歳のとき、有名な金石学者・趙明誠に嫁ぎました。金石や文物をこよなく愛し、蒐集に余念がなかった2人は夫婦円満に過ごしたそうです。後に李清照は夫の著書「金石録」を手伝うことになります。

ところが、その幸せも長くは続きませんでした。靖康の変に巻き込まれ、蒐集した蔵書はほとんど焼かれてしまったのです。なんとか焼け残った蔵書も強奪によってことごとく失いました。

さらに、夫・趙明誠が急死。再婚したものの、再婚相手から暴力を振るわれることがあったこともあり、100日も待たずに離別しました。その後は流浪の生活を送りながらも、優れた詞を多く生み出したそうです。

李清照の詞には「酒」という言葉がよく出てくることでも有名です。お酒を飲まなければ耐えられないほどの苦難に直面したさまが容易に想像できます。

代表作

  • 声声慢:靖康2年
  • 李清照は再婚相手からしばしば暴力を振るわれたため、結婚して100日も足たないうちに離別しました。その時のつらい経験を表現した詞です。

    冒頭では「尋尋覓覓 冷冷清清 凄凄慘慘戚戚」と繰り返し、切々と哀しみを表現。この冒頭文はリズムがよく悲惨な雰囲気を見事に演出しているため、特に高く評価されています。

  • 金石録後序(きんせきろくこうじょ):紹興5年
  • 「金石録後序」は、士大夫の家庭で過ごす夫婦の知的生活を濃やかに描いた傑作として評価されています。

    「金石録」は、李清照の夫・趙明誠が編纂した書です。趙明誠は「金石録」を出版する前に亡くなってしまったので、代わりに李清照が出版しました。その時に書き足したあとがきが「金石録後序」です。

    金石録後序には、趙明誠と過ごした金石蒐集の日々と、夫亡き後に経験した彼女自身の苦難が、繊細な感情表現を交えた李清照らしい作風で描かれています。

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