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こちらの記事では、さまざまなジャンルの絵画を制作するとともに、随筆や詩なども手がけたことで知られる黄永玉(こうえいぎょく)について紹介します。その生い立ちや代表作品を紹介していきますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
黄永玉は1924年生まれ、湖南省出身の現代中国を代表する芸術家のひとりです。油絵や水墨画、版画など絵画においてさまざまなジャンルを手がけるとともに、文才にも優れており随筆・詩なども人気となっています。15歳の頃から絵画制作を始めていますが、まずは木版画から手がけたのちに水墨画や油絵の作品も制作するようになりました。
黄永玉は独学によって独自の画風を確立した点も特徴のひとつとなっています。また、新聞編集者や映画制作の経験を経て、中央美術学院教授の職にも就いています。
黄永玉は1940年代になると個展を開催するほど世間に知られるようになりました。しかし1960年から1970年代において表現の自由を圧迫する「文化大革命」が起こった際には黄永玉の作品は批判の的となり、強制的な農作業を強いられることになりました。ただしその文化大革命後はそれ以前と同じような画風の作品を描き続けています。 黄永玉が生み出す作品は、明るくユーモラスな雰囲気に溢れている点が特徴。多くの人に好かれる作品を描くことで知られている画家です。特に、北京オリンピックの開催をきっかけとして制作された「中国=mc2!」が話題を呼んだように、晩年まで第一線で活躍する画家として多くのファンを魅了した画家です。2023年没。
「故郷荷塘」は、黄永玉の故郷である湖南省鳳凰県の蓮池の風景を描いています。こちらの作品では、伝統的・表現主義的な構図・色づかいによって描かれた蓮池に加えて花々、水鳥たちの姿が印象的に描かれています。牧歌的な雰囲気が感じられるとともに、故郷を懐かしむ思いも感じられる作品である点が特徴といえるでしょう。
「中国=mc2!」は、2008年に中国で開催された北京オリンピックに合わせて制作されたもの。こちらの作品では、オリンピックのシンボルである「五輪」を表している5種類の色の樹が幹を絡ませることによって大きな樹となり、さらに5色の鳥がその周りを飛び回ることによって祝福の雰囲気を醸し出しています。このように、世界的なイベントであるオリンピックが行われるということをお祝いする作品となっています。
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