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郎世寧(ろう せいねい)

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イタリア・ミラノで生まれ、本名はジュゼッペ・カスティリオーネ。熱心なキリスト教徒であり、ボローニャ派に学んだ画家でもありました。1715年、27歳の時にイエズス会の宣教師として中国へ渡り、清朝の宮廷画家として活躍したという、異色の経歴の持ち主。その人こそ、郎世寧(ろう せいねい)になります。より詳しい生い立ちや代表作について取りまとめてご紹介していきたいと思いますので、ぜひご覧になってみてください。

「イタリア出身の清朝宮廷画家」郎世寧の生い立ち

前述しました通り、郎世寧(ろう せいねい)は中国名であり、本名はジュゼッペ・カスティリオーネ。イタリアのミラノで生まれ、若き日にはボローニャ派に学んだ画家でもあり、また熱心なキリスト教徒でもありました。中国に渡ることになったのも、画家としての才能を活かしながら、イエズス会の宣教師としてキリスト教を布教するためであったとされています。

1715年に清朝時代の中国へ渡り、康煕帝に拝謁。画家としてはもちろん、庭園の設計などにも才能を発揮し、バロック様式を取りいれたというエピソードも。絵画においては、西洋風の陰影法と写実主義を採り入れることで、同時期の画院絵画に大きな影響を与えたとされています。1766年、北京にて死去した際には、侍郎の官位を贈られたとのこと。

代表作

  • 百駿図:1728年

郎世寧の作品群のなかでも知名度の高い作品であり、現在は台湾の故宮博物院に所蔵。時の権力者であったの 50 歳の誕生日を祝して献上したものであり、94.5×776.2cmという、横長の絵巻物の形状。100頭余りの馬が西洋の陰影を活かした立体的な表現で描かれているのに対し、地面や木々、背景の山などは東洋の手法が用いられており、東西の絵画技法を巧みに融合させていると評価されています。

  • 乾隆皇帝大閲図:1739 年

こちらも郎世寧作品のなかで知名度の高い作品。時の皇帝である乾隆帝が儀礼用甲冑を身に纏い、軍馬に跨りながら八旗軍を閲兵する様子を描いたものであり、現在では北京故宮博物院に所蔵されています。当時は皇帝の肖像画に影をつけてはならないという規則があり、この作品でも皇帝の顔には正面から光がさしているのに地面に影がないという手法が採られています。

  • 乾隆皇帝朝服像:1735 年

こちらは乾隆帝が自ら郎世寧に依頼し描かせた肖像画であり、史上初めて描かれた正式な正面朝服肖像画であるということでも知られています。こちらも当時の慣習に則り、正面から光が当たっている体裁とし、影を描くことは避けています。その結果として、精錬で柔和な表情を際だたせています。

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