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鶏血石

中国美術の一ジャンルとして人気の高い鶏血石(けいけつせき)。ここでは、鶏血石の特徴や歴史、代表作、魅力などについてご紹介しています。

鶏血石とはどのようなもの?

鶏血石とは、中国の昌化とモンゴル自治区でしか産出されない希少な鉱石の一つ。やや残酷ですが、鶏が首を切られた時に噴出する鮮やかな血の色に似ているとのことから、鶏血石と名づけられました。

鶏血石の主成分は粘土と石英です。シンナバーと呼ばれる砂が加わり、その特徴的な赤色が作り出されています。医師そのものを鑑賞する楽しみ方もあるのですが、その見た目の美しさや硬さを活かし、古くから皇族や文人の印鑑としても活用されてきました。

近年では、鶏血石はパワーストーンとしても注目されているようです。パワーストーンとしての鶏血石は、主に次のような意味や高価があるとされています。

  • 気力を回復させる
  • 生産能力を高める
  • 意志力を高める
  • 運気の流れを良くする
  • 天からのメッセージを受信しやすくする

ちなみに、鶏血石に似た「血石」という鉱石がありますが、「血石」は深緑の本体に赤の斑点がある石英の一種です。鶏血石とは異なる鉱石なので、購入する際には注意しましょう。

また、鶏血石と称し、プラスチックを密着させた印鑑や赤いコーティングを施した偽物なども流通しているようです。併せて注意するようにしましょう。

鶏血石の歴史

鶏血石の採掘が始まった時期は、元・明時代だったとされています。当時は、農民の農閑期の副業として採掘が行われていたようです。明・清時代に入ると、鶏血石は、皇族や文人などの間で印鑑の材料として人気を集めます。

時代が下って1972年、日本との間で日中友好条約が結ばれた際、時の中国の周恩来首相から日本の田中角栄首相へ、有効関係の証として2つの鶏血石が贈られました。このエピソードが一つのきっかけとなり、鶏血石はさらに多くの人たちから注目を集めるようになりました。

なお鶏血石は、その採掘場所や石質、色合いなどに応じ、歴史的に大きく2つの種類・流れを形成するようになりました。1つが「昌化鶏血石(しょうかけいけつせき)」、もう1つが「巴林鶏血石(ぱりんけいけつせき)」です。

どちらも希少・貴重な鉱石であることに変わりはありませんが、赤色の鮮やかさを基準にすれば「昌化鶏血石」のほうが、印材としての彫りやすさを基準にすれば「巴林鶏血石」のほうが上とされています。

鶏血石を使った作品

鶏血石を使った最も有名な作品は、台北の故宮博物館に所蔵されている「清鶏血石赤壁図薄意未刻印」と言われています。

清鶏血石赤壁図薄意未刻印(所蔵:国立故宮博物館/台北)

主要部分はベージュ色で、上部が朱色に近い赤色の鶏血石で作られた印。印の側面には、船を漕ぐ3人の人物と松のような植物の絵が彫られています。また、余ったスペースに文字が記されています。

鶏血石の魅力

鶏血石の最大の魅力は、その鮮やかな赤色にあります。個体によって色合いや鮮やかさは異なりますが、それら個体による外観の違いも鶏血石の魅力です。加えて、中国の昌化とモンゴル自治区でしか採掘されない、という希少性も魅力を後押ししているのでしょう。

なお現在、中国政府は1911年以前に作られた美術品の国外持ち出しを禁じています。逆に言えば、1911年以前に作られた鶏血石の印鑑は、非常に高価なものと判断されます。鶏血石を使った作品をお持ちの方は、その作品がいつごろ作られたものなのか、一度専門家に鑑定してもらってはいかがでしょうか。

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