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中国美術の掛け軸を所有している人の中には、買取に出そうと考えることもあるでしょう。
大切な骨董品を手放すわけですから、少しでも高く買取してもらいたいですよね。ここでは、掛け軸の買取に関する重要なポイントを紹介していきます。
掛け軸の買取で注目するのは、その掛け軸を書いた作家。
中国で歴史的価値のある作家の描いた掛け軸ならば、高い価値がつく可能性があります。
中国の掛け軸には作家の落款(らっかん)が押されていることが多いため、どの作家の作品なのかすぐに判明するでしょう。
中国美術の専門家に鑑定してもらい、落款から誰が作成したのか教えてもらうようにしてください。
作家が分からない場合は、掛け軸の裏面や掛け軸を入れるための共箱(ともばこ)という桐箱をチェックします。
掛け軸に落款がなくても署名さえあれば、作家を特定することは可能です。それに、共箱も掛け軸の題名や署名が記載されていますから、共箱は捨てずに保管したほうがいいでしょう。
実際、共箱がなく作家が誰か分からない掛け軸でも買取はしてもらえますが、共箱がない状態と比べて買取額は大幅に下がってしまいます。
作家が不明でも価値がある掛け軸かもしれませんから、一度も確認してもらうことをおすすめします。
掛け軸を高く買取してもらうためには、保存状態が大きく関わってきます。大切なものだからといって、押入れに保管しておくと劣化してしまう恐れがあります。
押入れに保管しておくことで劣化してしまう理由は、日本の高温多湿という気候にあります。倉庫や押入れで保存していると、湿気による劣化で美術品としての価値が下がってしまいます。
また、掛け軸をずっと飾ったままでいると、直射日光による劣化の影響も注意しなければなりません。
対策としては、太陽に気をつけて鑑賞する期間だけ飾るようにすること。また、掛け軸の保存は難しいため、劣化する前に買取してもらったほうがいいかもしれません。
保存状態だけでなく、掛け軸の取り扱いにも注意が必要です。濡れた手で触ってしまうとシワになるため、必ず手を拭いてから触るか手袋を着用してください。
また、掛け軸を巻く際は、きつく巻いてしまうとシワや折れの原因となります。紙を触らないように軸先を持って、少しゆとりを持って巻くようにしましょう。
古い骨董品であることで買取価格が上がることもありますが、保管期間が長すぎて劣化してしまうと、価値が下がってしまうリスクも。
少しでも劣化していると思った場合は、早めに買取に出したほうが高く売れる可能性もあります。
大切な掛け軸の価値を下げないためにも、劣化を防ぐための保管方法を紹介します。
・掛けはずし
掛け軸を飾りたい人は、3日に1度は掛け軸をはずして巻いて保管することが大切です。
上記で説明したように、直射日光や湿気によって劣化してしまうので定期的に巻いて保管するようにしてください。
・共箱(桐箱)に保管しておく
掛け軸を保管する共箱は、桐箱タイプのものが多く掛け軸を保管するに適しています。桐箱は元々吸湿性にすぐれていて、タンスの内側に桐の木が使われることもよくあります。
桐箱に保管することで掛け軸の劣化の原因である、湿気から保護することができます。共箱は他にも熱に強いという特徴と防虫効果があります。
押入れに掛け軸をそのまま保管したせいで、虫に食われてしまったということがありました。それを防ぐためにも桐でできた共箱に必ず保管するようにしてください。
また、防虫のために乾燥剤や虫除けの薬剤を入れてしまうと、掛け軸や共箱に臭いが移る可能性があるため注意しましょう。
・ウコンで染めた布で保護
染料としてのウコン(ターメリック)の成分には防虫・防菌効果があるためウコン染めした綿布で骨董品を包み込む方法があります。
大切な法衣を保管するのに使われるとも言われており、掛け軸の保管にも効果的です。共箱をウコン染めした布で保管すれば、より掛け軸の劣化を予防できます。
監修本郷美術骨董館
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