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中国の美術品を、書画や絵画といった点から見ていきましょう。
美術品のジャンルはかなり広いといえます。世界的に貴重な書画や陶芸はもちろんのこと、玩具や服飾(着物)などに高い価値が付くケースも少なくありません。
とはいえ、基本的なところとしては書画、絵画、陶芸、工芸品が主流。これらがさらに分類され、それぞれ特徴を有しています。
たとえば陶芸~やきものの場合、土器、焙器(ストーンウエア)、陶器、磁器といった種類があります。また土器をひとつとっても、作られた時代や場所、着色の仕方といった製作過程、姿形によって分けられます。ですから、一見、同じような雰囲気の作品であっても、まったく違うものだったということも、結構あるのです。そのため購入したあとで、「自分が求めていた種類ではなかった」などの話もよく耳にします。
書画では、有名な書画家たちにフォーカスし、系譜を説明しています。書聖・王羲之(おうぎし)について取り上げ、後世の中国書画や文字(漢字)にどのような影響を及ぼしていったかも解説します。
絵画では、東洋の絵画との違いや、中国の絵画ならではの特徴に関して解説しています。中国絵画のなかでも、特に評価が高い、文人画や山水画について特集。後世の中国絵画にどのような影響があったかも紹介しています。
そのほか、印材や陶磁器、世界に認められている青磁・白磁についても詳しく紹介。気になる中国の美術品がある人は、参考にしてください。
掛け軸とは、主に絵画や文字が縦長の紙に描かれた一連の作品のこと。中国では西暦1000年頃に発祥したと考えられていますが、具体的な発祥時期は定かではありません。
日本でも掛け軸は一般的な美術品として愛好されていますが、日本の掛け軸と中国掛け軸とでは、テーマやサイズ、技法など、様々な面での特徴が大きく異なります。
鶏血石とは粘度と石英で構成される希少な鉱石の一種。鮮やかな赤が散っている外観の美しさから、石そのものが鑑賞の対象になることもあれば、印鑑として利用されることもあります。
鶏血石を希少な鉱石として採掘が始められた時期は、元・明の時代。以後、中国から日本にも伝わり、文化人や政治家を中心に日本でも鶏血石が人気となりました。台北の故宮博物館に所蔵されている「清鶏血石赤壁図薄意未刻印」が有名。
中国漆器とは、漆の樹液を塗布した木製の器のこと。日本でも漆器は広く作られていますが、中国では漆の産出量が非常に多いことから、古くから様々なタイプの漆器が作られてきました。
中国漆器が誕生した時期は、実に紀元前7500年ごろ。浙江省余姚市にある先史時代の遺跡から発掘された朱色の漆器が、現存する最古の中国漆器とされています。
書画とは墨で描いた美術作品の一種。大きく分けて「書のみを書いた作品」と「書と絵画を一体化させた作品」の2種類があります。
書画の発祥については、何をもって芸術作品とするかにより解釈が異なります。文字を書くという行為を書画の発祥とすれば、今から約3500年前の「甲骨文字」まで遡るでしょう。王羲之、張芝、鍾繇、趙孟頫などの作品が有名。
壁がや青銅器などの装飾ではなく、中国で現代のような絵画が描かれるようになった時代は秦~漢時代。平織の絹に描かれた「帛画」が、中国絵画の始まりとされています。
唐の時代には、いわゆる山水画が誕生。あえて色彩を抑えた幽玄な山水画は文化人を中心に愛好され、やがて日本にも伝わり広く人気を集めるに至りました。
山水画の一ジャンルとされている文人画。もともと中国で発祥した作品ジャンルではありますが、日本でも18世紀から19世紀にかけ、庶民にも広く文人画が愛されました。
文人画とは、いわば「画家ではない文化人・知識人が自由に描いた絵」のこと。池大雅、与謝蕪村、渡辺崋山など、日本でも多くの著名文人画家が活躍しています。
印材とは、その名からも分かる通り「印を作る材料」のこと。中国印材の発祥は約3000年前とされ、当時は身近な粘土に模様を刻んで印鑑として利用していたようです。
歴史の変遷の中、中国では粘土から始まり、銅や銀、玉、竹、木材、寿山石、青田石、鶏血石など、様々な印材が使用されています。
陶磁器とは土や石をこねて焼いた器の総称で、一般に「焼き物」と呼ばれています。本来は水や食料を保管する目的で作られていたものですが、時代とともに素材や色、模様などにこだわる芸術作品としての陶磁器も数々誕生しています。
中国陶磁器の中では、特に唐三彩や白磁、青磁などが有名。中国国内や日本はもとより、中国陶磁器はヨーロッパでもコレクターの多い有名な美術ジャンルとして定着しています。
青磁とは、薄い青や緑の発色を特徴とする陶磁器の一種。石灰に微量の酸化鉄を交えて釉(うわぐすり)を塗り、酸素の量を調節しながら焼き上げることで美しい青や緑の発色を導きます。
青磁の中でも汝窯青磁は最高蜂ともいわれるジャンルで、世界中に90点しか存在しない希少な作品。90点のうち3点は日本で発見されています。偽物が多く流通していることも青磁の悪しき特徴。
中国切手の中でも、特に1950年年代から1980年代の30年間に発行された切手には、希少価値の高い高価な切手が多いとされています。中には1枚で4000万円の値が付くほどの切手もあるそう。
発行された時代の文化や政治が図柄に反映されていることが多く、時代順に切手を並べれば中国の歴史の流れを感じることもできます。
白磁とは、白い素地に無色の釉を塗って焼き上げた磁器の総称です。白色の粘土素地を用い、鉄分を抜いて焼き上げた磁器が白磁です。
白磁の発祥は北斉時代(560~570年代)。文化や芸術は羽田辰した北宋時代には、中国のあらゆる窯で白磁が焼かれるようになりました。日本の「有田焼」は、白磁を起源とする焼き物として知られています。
翡翠とは、美しい緑色の発色が特徴の宝石の一種。硬玉と軟玉があり、うち硬玉が宝石として珍重されています。
発色は緑色が中心ですが、他にも紫色や赤色、黄色、青色、黒色、無色透明など、様々なタイプの翡翠があり。もともと翡翠は無色透明ですが、長い年月の間に地中の様々な成分を取り込んで多彩な色合いへと変化していきます。
玉器とは、硬度の低い石(軟石)で作られた器のこと。石を削りながら少しずつ形を整えていく技法で作られています。
中国で玉器が作られた時期は、実に紀元前3000年頃と言われています。主な用途は祭祀。玉器には神霊な力が宿ると信じられ、主に祭器として用いられたリ墓室の中に添えられたリなど、実用とは異なる用途で用いられていたことが分かっています。
硯屏(けんびょう)とは、硯(すずり)のそばに立てかけておく屏(へい)のこと。墨の中にホコリなどが入らないようにガードする目的で、硯屏(けんびょう)が生まれました。
日本ではなじみの少ない道具ですが、中国の書道具としては一般的なアイテム。素材やデザインが多彩で、ただ飾っておくだけでも鑑賞用として十分に楽しむことができます。コレクターの多い中国美術アイテムの一つです。
古銭とは、現在は使用されていない古い貨幣のこと。日本と同様、中国でも古銭は美術品として高い人気を集めています。
貝貨、刀貨、布貨、蟻鼻銭、環銭、半両銭、五銖銭、開元通宝、宋銭など、中国古銭のジャンルは非常に多彩。開元通宝は日本の和同開珎の元となった古銭として、宋銭は日本に輸入されて大量に流通した古銭として有名です。
古墨(こぼく)とは、製造されてから長い年月が経っている墨のこと。良質の墨とされ、中国では清時代までに作られた墨が古墨とされています。現在では古墨自体を入手すること自体ほとんど困難ですが、古墨と同じ製法で作られている墨を手に入れることはできます。
墨色に幅がある「松煙墨」や、光沢のある深みが特徴の「油煙墨」などが古墨の中でも特に有名です。
堆朱(ついしゅ)とは、中国や日本で採用されている漆器の技法の一種。素材の表面に漆を塗り重ねて層を作り、レリーフ状に文様を表す技法を堆朱と言います。
黒漆の層に文様を表す技法が「剔黒」で、朱漆の層に文様を表す技法が「剔紅」。日本には平安時代末期に伝来し、室町時代には堆朱を採用した漆器が本格的に製造されるようになりました。
七宝(しっぽう)とは、主に金属素地にガラス質の釉(うわぐすり)を焼き付けることで装飾する技法、またはその技法で作られた製品を言います。中国では七宝が盛んに製造されましたが、その起源は中国ではなく、紀元前のエジプトと考えられています。
主に用いられる金属素材は金や銀、銅、青銅、鉄など。金属や釉の種類により、様々な発色を放ちます。
官窯(かんよう)とは、中国宮廷の窯のこと、もしくはその窯で作られた焼き物の総称。大きく分けて、殖産興業の一環としての官窯と、美術性を追求する官窯の2種類があります。
官窯の始まりは中国の宋時代。明時代の官窯である景徳鎮窯(江西省)は、中国美術品コレクターでなくとも耳にしたことがあるほど有名です。
染付とは、白地に濃い青色一色で模様が描かれた陶磁器のこと。中国生まれの伝統的な陶磁器ですが、現代でも似たような模様の食器を多く目にするほど、その模様は一般に定着しています。
中国から始まって日本にも伝来した染付ですが、その技法はヨーロッパにも伝わり、現代のロイヤルコペンハーゲンやマイセン、ウェッジウッドなどの高給食器ブランドでも採用されています。
鼻煙壷(びえんこ)とは、いわゆる「嗅ぎ煙草」を保管するための小さな容器のこと。中国の清時代に流行し、金や銀、登記、玉、ガラス、象牙など、様々な素材による鼻煙壷が作られました。
発祥の地は中国ではなくイタリアです。14世紀にイタリアから中国に伝わり、喫煙具としてよりも鑑賞用のコレクションとして広く愛好されたアイテムです。
画帳とは、何らかの絵や書が描かれている作品の総称です。「絵だけ」「書だけ」「絵と書の両方」など、様々なタイプの画帳が存在します。
対象が非常に広い美術品となるため、中にはほとんど価値のない画帳もあれば、逆に驚くような高値が付けられる貴重な画帳もあります。作者、製作時期、入手経路などを基準に、画帳の価値が判断されます。
古文書とは、古い時代に書かれた文書の総称です。それらのうち、美術品として価値のある古文書が骨董市場で流通しています。
美術品として価値のある古文書のジャンルは、漢籍(唐本)、拓本、法帖、消息文、証文など。保存状態、文書の内容、作者などに応じ、美術品としての価値が評価されます。
釉裏紅(ゆうりこう)とは、白磁の素地に紅色の画が描かれた陶磁器のこと。酸化銅を含む顔料で絵を描いた後、窯の温度を繊細に調節しながら焼き上げていく中国発祥の骨董品です。
美しい発色を実現するには、温度管理が非常に大事。極めて高度な職人技と膨大な手間がかかる技法のため、現在では釉裡紅を作る窯がほとんど存在しません。
田黄石とは、中国福建省寿山郷および周辺から採掘される天然石の一種。やや黄色味がかった色合いが特徴で、「石印材の王者」とも言われるほど貴重な素材です。
個体により様々な色や模様が表現されますが、天然石である以上、二つとして同じ色や模様はありません。高い人気がありながら採掘が難しいことから、市場には多くの偽物が流通していると言われています。
青銅器とは、青銅(銅に10%程度のスズを混ぜた合金)で作られた工芸品の総称。加工しやすく錆びにくいという特徴があり、古くから容器や楽器、鏡、馬具など、青銅器は様々な用途で作られてきました。
発祥の地はエジプト・メソポタミア。中国に伝来して以降は、器の形や文様などの技術が発達し、実用品だけではなく美術品としての青銅器も作られるようになりました。
監修本郷美術骨董館
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