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中国美術を学びたい人のための入門

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古文書

ここでは、中国美術における古文書の概要や価値の決まり方について、骨董品鑑定の視点から詳しく解説します。古文書をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

古文書とは

古文書の定義については現代でも諸説ありますが、一般的なイメージで言うならば、「古い時代に書かれた手書きの文書」となるでしょう。「文書」とは言っても、書の中に画が挿されていたりなど様々な形態がありますが、骨董品鑑定の現場では、それらイレギュラーなパターンも含め、広い意味で「古文書」と理解しています。

なお、公的な意味を持つ大事な古文書は、通常、博物館や大学などが所蔵していますが、私的な内容の古文書(手紙や借用書など)は、個人が所有している例も少なくありません。また、まれではありますが、歴史的な意味のある大事な古文書を個人が所有していることもあります。

一般的な骨董品鑑定の現場では、それら個人所有の古文書を対象に査定が行われています。

古文書の買取時のチェックポイント

中国古文書は、主に次の3点を基準に価値が決まります。

保存状態

古文書は一般に紙で作られているため、一般には時間とともに著しく劣化してしまいます。だからこそ、良質な状態で保管されている古文書は、それだけでも価値が上乗せされる可能性があります。

内容

歴史的価値の有無や程度により、古文書の価値が変わります。たとえば、借用書や離縁状などよりも、政策判断に関わる内容の古文書のほうが価値は高くなります。

作者

古文書の作者が有名であればあるほど、価値が高くなる可能性があります。2014年、神戸市内の民家から織田信長の書状がたくさん発見されましたが、これらは古文書としての価値が相当高いと考えられます。

中国の古文書・古書の種類

数ある中国の古文書・古書の中から、代表的な5種類をご紹介します。それぞれの古文書・古書の意味と、高い価値が付く理由などを理解していきましょう。

漢籍(唐本)

漢籍とは、古い時代に中国で出版された本のこと。通常、清時代までに出版された本を漢籍と言い、以後に出版された本を中国書と言います。
また、主に江戸時代、日本では漢籍のことを唐本と言いました。当時、学問を目的に中国から多く漢籍(唐本)が日本に輸入され、翻訳書や復刻書が作られて広く国内に流通していたようです。
なお、当時の日本で出版された漢籍(唐本)の復刻版のことを、和刻本と呼びます。

拓本

拓本とは、文字などを刻んだ凸凹のある石碑や器具(青銅器など)などに紙を充て、墨を打って(上墨)凸凹を紙に写しとること。または、写し取った紙のこと。凹の部分が白く、凸の部分が黒く映ります。有名な石碑などの文面を写し取った拓本には、高い価値が付けられることがあります。
なお近年、拓本を取ることが禁じられている石碑が少なくないことから、禁じられていなかった時代に取られた拓本には、特に高い価値が付く傾向があります。

法帖

石碑から取った拓本の中で、臨書(手本を見ながら書き写す書道)の手本となるものを法帖と言います。また、書家や書道家が書いた手本も法帖と呼ぶことがあります。かつては、顔真卿の「多宝塔碑」や王羲之の「蘭亭序」などの著名な石碑から取った拓本が、法帖として書道の手本にされていた時代がありました。
書道の手本としての価値がある一方で、特に古い時代の法帖は歴史的な価値も加わることから、中国古文書として高く評価されることがあります。

消息文

消息文とは、簡単に言えば、古い手紙や古い書状のこと。一般的な歴史書とは異なり、書き手と受け手が明確で、かつ一般には事実に基づいた情報が記載されていることから、研究のための一次資料として高い価値を持つことがあります。歴史的に有名な人物が書いた消息文であれば、特に高い価値が付く可能性があるでしょう。
なお、既に有名な人物が書いたものと判明している消息文の中には、装飾されて掛け軸として保管されていたり、茶掛けとして用いられたりしているものがあります。そのような消息文の場合、消息文としての価値に茶道具としての価値が加わることから、想定以上の査定額が付くこともあります。

証文

証文とは、その文章を作成する時点での特定の事実を著した文書のこと。たとえば、契約関係や訴訟関係、権利関係などに関する書状や公文書などを総称して証文と言います。より具体的には、土地の借用書や委任状、和解に関する書状、異議申し立てに関する書状、質権、絶縁状などです。
その土地の歴史や一つ一つの出来事を知りたいという研究ニーズに対しては、大切な資料となることは間違いありません。

古文書の価値を知りたいなら骨董品鑑定がおすすめ

古文書の概要や価値の決まり方などについて解説しましたが、この解説をいかにしっかりと読んだとしても、別の解説をいかに深く理解したとしても、鑑定経験のない素人が中国古文書の価値を正しく査定することは、困難でしょう。古文書の査定には、どうしても経験が必要となってくるからです。

もし中国の古文書をお持ちで、かつ、その現在価値を知りたいならば、売るか売らないかは別として、まずは骨董品鑑定に出してみることが賢明でしょう。

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