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沈周(しんしゅう)

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中国の長洲県相城里(現在の江蘇省蘇州)出身の画家である沈周(しんしゅう)。中国明代中頃に発足した書画の一派である呉派(ごは)で活動していました。その生い立ちや代表作品の特徴について解き明かしていきます。

呉派の芸術家・沈周の生い立ち

沈周は、宣徳2年11月21日(1427年12月9日)に中国の長洲県相城里(現・江蘇省蘇州)で生まれました。文人・画家として、明代中期に活躍。沈石田という別名でも呼ばれていたそうです。沈周の作品は、南宋時代の水墨を使用した植物画の技法が取り入れられています。水墨を使い、巧みな筆さばきで植物や動物、人物などを表現。様々な技法を組み合わせて、独自の画風を編み出しています。

名家出身の沈周は、充実した環境で絵を学びました。父や伯父を師事して絵の技術を会得。実家に収蔵された古画を日々観察して、勉強したこともあったそうです。

15歳の時に父から、所有する土地の住人から税を徴収する「収税役」を継承。しかし心優しい性格の沈周は、住人から税を無理に取り立てることがなかったそうです。家訓を守ったため、仕官の仕事に就かず、蘇州の農村で文芸の腕を磨いていた沈周。文人や好事家など交流が多かったそうです。その際の活動スタイルは「来るもの拒まず」。画家と書画の依頼を並行して受けていたので、他の画家よりも作品点数はあまり多くはありません。

代表作

  • 廬山高図(ろざんこうず):1467年
  • 沈周が40歳の頃に手掛けた作品。中国江西省九江市南部の名山「廬山」を、緻密かつ力強いタッチで描いています。山間の中央に清らかで美しい滝を描写。壮大な自然の迫力感の中に、どこか落ち着いた雰囲気を感じる作品です。

  • 夜坐図(やざず):1492年
  • 作品の上部に散文、下部には高く険しい山をはじめとする美しい風景を描いています。夜中に目が覚めた男が、物思いにふけながら見た風景を表現。自然の美しさを感じる中で「自分の心は、清く静かな状態であることに気が付く」その時の感動が伝わるように描かれています。66歳の時に手掛けたと言われる情緒的な作品です。

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