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中国の硯屏(けんびょう)についてご存じでしょうか。様々なデザインがあり、その価値や色、大きさも様々な硯屏についてご紹介していきます。
硯屏の漢字を分けて考えてみると、「硯」はすずり、「屏」はへいです。つまり、硯屏とは、硯にあわせて使う屏のこと。硯のそばに立てかけておくことにより、墨の中にホコリなどが入らないようにするためのものとなります。
日本ではあまりなじみのないものですよね。ですが、中国では書道具の一つとして知られています。かなりデザインが凝ったものなどは非常に高価になってしまいますが、コレクション的な意味での収集を行っている方も多く、人気も高いです。
硯屏の本来の役割は硯の頭側に置き、ゴミが入らないようにするものなのですが、どちらかというと鑑賞物としての役割が大きいと言えるでしょう。机の上を飾る文房具として愛用されてきたのです。
それから、風の影響で硯の中の墨が乾くのを防ぐ役割も持っていました。「骨董品には興味があるけれど特に硯を使う予定はないし…」という方もいるとは思いますが、ただ飾っておくだけでも楽しめるような非常に美しいものもあるので、そういったものを探してみるのも良いですね。
硯屏の素材はものによってかなりの違いがあります。陶磁器で作られているものもあれば、彫金、玉といったものもあるので、気になるものを探してみてはどうでしょうか。枠に唐木を用いて陶板をはめ込んだものなどもあります。
全体のサイズは小さめとなっていて、大体幅40cm以内のものが多いのですが、更に小さいタイプのものや大きなものもあるので、作品によって差が大きいと言えるでしょう。
硯屏は本来の目的とは違う使われ方をすることもあります。それが、茶道具としての役割です。柄杓を立て掛ける役割で使われることがあります。
お茶を楽しんでいる方は、そういった使い方でも取り入れてみてはどうでしょうか。
それから、色紙を立てかけておくための道具として使われることもあります。こちらは木製のものが多く、季節に合せて立てかけておく色紙を変化させてお部屋の雰囲気を変えている方もいるようです。
色紙立てとして使われる硯屏は、非常にシンプルなつくりになっています。そのため、硯屏だけで楽しめるものを探したいと思っている方はそういったものではなく、デザイン性に優れたものを検討してみてはどうでしょうか。
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