中国美術 Art of Chinese
中国美術を学びたい人のための入門

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染付

中国美術に伝わる伝統的な陶磁器の種類として、ここでは、染付をピックアップしてご紹介します。染付とは、白地の器に青の単色で模様が描かれた陶磁器のこと。どこか懐かしい印象もある、とても身近なデザインの器です。

染付(そめつけ)とはどのようなもの?

染付とは、中国生まれの陶磁器の一種。白地に濃い青色の単色で模様が描かれた陶磁器で、現代にも似たデザインのものは、国内外で多く目にします。

なお、厳密な意味での染付とは異なるとの説もありますが、100円ショップの食器コーナーなどでも、同様のデザインの商品がたくさん並んでいます。それほどまでに染付は、私たちの日常において、とても身近なデザインの陶磁器と言うことでしょう。

なお、染付に描かれている模様の原料は、コバルトを含んだ「呉須」と呼ばれる絵の具。もともとは黒や茶色の絵の具なのですが、白い陶磁器に描いて釉(うわぐすり)を塗って本焼きをすると、美しい青へと変色します。

染付の歴史

染付の誕生

染付が発祥した正確な時期は不明ですが、インドネシアの沈没船や河南省の窯から発見された陶磁器などから、すでに9世紀には、のちの染付の原型となる陶磁器が作られていたと考えられています。

ただし、染付が本格的に完成したとされる時期は明時代(1368~1644年)の末期。有名な景徳鎮で作られた染付が、本格的な染付の始まりとされています。なお、この景徳鎮で作られた染付は、一般に「古染付」と呼ばれています。

日本への伝来

染付が日本に伝来した時期は、桃山時代の末期から江戸時代の初期と伝えられています。

当時の日本は海外貿易に前向きではない政策を基本としていましたが、そのような中でも、例外的に中国との間では、細々とではあったものの貿易が行われていました。

折しも日本では茶の湯が大ブームだった時代。中国から輸入された染付に、多くの文化人たちが飛びついたとされています。

ヨーロッパへの伝来

染付が本格的に完成したとされる時期が明時代(1368~1644)ですが、それより以前の元時代(1271~1368年)には、すでにイスラム商人などの手によって染付がヨーロッパに伝来していたとされています。

当時のヨーロッパの技術では、染付に比肩するクオリティの陶磁器を作ることができなかったため、中国から伝来した染付は金銀にも勝る宝として重宝されたようです。

染付の種類

中国の染付 ~古染付~

染付の発祥の地である中国。その中国で本格的に染付が製造された場所が景徳鎮。当時の景徳鎮で作られた染付を、広く「古染付」と言います。

日本の染付 ~古伊万里~

中国から輸入された染付に触発され、日本でも佐賀県有田の窯において、日本オリジナルの染付が焼かれました。ここで作られた染付は「古伊万里」「初期伊万里」と言われ、現代でもその絵柄の価値は高く評価されています。

のち、鍋島、京都、瀬戸などでも染付の製作が始まり、江戸後期には日本全国の窯で作られるようになりました。

ヨーロッパの染付 ~デルフト焼きやマジョリカ焼など~

中国からヨーロッパへと伝わった染付を受けて、オランダのデルフト焼きやイタリアのマジョリカ焼きが誕生。高級食器のブランドとして知られるロイヤルコペンハーゲンやマイセン、ウェッジウッドなども、染付の技法に基づいた作品を数多く発表しています。

染付の魅力

染付の楽しみ方

絵柄や出来栄えを愛でたり、茶の湯に使用したりすることの他に、あえて染付の「不具合」に注目することも、染付鑑賞の楽しみ方の一つかもしれません。

たとえば「虫食い」。表面に点々と存在する小さな粒状のくぼみを「虫食い」と言いますが、日本の数寄者(すきもの/本業とは別に茶の湯に熱心な人のこと)の間では、この「虫食い」が、侘びの景色として広く受け入れられています。ちなみに「虫食い」は、やや粗悪な土を用いたときに生じる欠陥の一種です。

あるいは、染付の裏面にある「砂付き」を染付の魅力とする人もいます。「砂付き」とは、窯の底に敷いた砂が一緒に焼かれてくっついてしまった状態のこと。一般的には「きたない器」ですが、好きな人にはたまらないポイントのようです。

染付の価値を決めるポイント

芸術品としての染付の価値を決める基準は、自分の感性のみにあることは間違いありません。その前提を踏まえたうえで、客観的に染付の価値を決めるポイントとして、次の点に注目しましょう。

出来ばえ

絵柄や光沢、形など、出来栄えの良い染付は、当然ながら価値が高くなります。ただし、出来ばえを素人が正しく判断することは、なかなか難しいかもしれません。

時代と産地

「明時代に作られた景徳鎮産」や「桃山時代末期に作られた有田産」など、時代と産地によって価値が上下します。

保存状態

保存状態が良好であればあるほど、価値が上がります。割れや欠け、ヒビなどのない染付が理想的です。

作家

有名な作家が作った染付は、価値が高くなる傾向があります。たとえば、無名作家の作った染付よりも、北大路魯山人が作った染付のほうが高価になる、ということです。

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監 修

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