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中国文学と美術について説明します。
中国の歴史において、初めて文字で資料や記録が書かれたのは、約3000年前、紀元前13世紀頃だと考えられています。
最も古いとされている文字は殷代の甲骨文字「卜辞」、文学の始まりとされるのは「詩経」です。これは中国史上のみならず、世界的に見ても古い詩歌集のひとつで、収録されているのは、西周初期から春秋時代中期頃までの、およそ500~600年の間に作られた作品だとされています。この時代の文学は「史官の文学」「巫の文学」に分けられます。
「文学」という言葉が登場する最も古い文献は「論語」と言われており、孔子が弟子を才能別に分類した「孔門四科」において、徳行・言語・政事・文学という記述が残っています。ただし、ここでの文学は、広く古今の文献や学問に通じていることを表わしました。つまり文学とは学問、あるいは文化全般を指していたようです。
現在の「文学」の概念が生まれたのは、5世紀の劉宋(南朝)です。
文帝は儒学(雷次宗)、玄学(何尚之)、史学(何承天)、文学(謝玄)を四学とします。ただし、ここでいう文学とは上流階層の文学であり、小説や戯曲など、いわゆる大衆文学は含まれてはいません。これらが普及するのは、元・明代以降のことになります。
そのため中国では、長く「詩」が文学の主流でした。種類もさまざまで、「韻文(一定の規則(韻律)にのっとり書き表された文)」のひとつである「漢詩」をはじめ、「五言絶句」「七言絶句」などで知られる「近体詩」、「辞賦」などがあります。
中国の絵画や書には「詩経」や「論語」などの書物を題材にしている作品が少なくありません。
また中国には「詩書画一致」「書画同源」という考え方があります。これは「詩」と「絵画」は切り離すことができないものであり、「書(書法)」と「絵画」は根本的に同じという意味です。たとえば山水画や文人画の中には、作者や鑑賞した人の詩文や感想を組み合わせたものがあります。詩とそれにふさわしい書体、詩の世界を表現した絵画は、芸術と文学とを結び付けた芸術のひとつといえるでしょう。
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