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潘天寿は、1897年に中国浙江省で生まれた画家。水墨を活かした数々の絵画作品のほか、美術教育者としても大きな功績を残しています。「雁蕩山花」「露气」など、いずれの作品もその構図・余白・色彩に注目です。
ここでは、潘天寿の生い立ちや代表作などについてご紹介しています。
1897年に浙江省寧海で生誕。呉昌碩を含む「中国4大画家」の1人として知られる現代画家で、画家としての活動のほか、美術教育者や書道家としても多くの実績があります。「中国絵画史」や「中国書法史」の著者としても有名です。
幼いころから絵画に強い関心を持ち、小説の挿絵を模写するなどして日常の趣味の中で絵画の腕を磨きました。師範学校を卒業して小学校教師となり、のち上海美術専科学校国画科教授や国立芸術大学学長など、美術教育者としても多くの足跡を残しました。
晩年、文化大革命を背景にした不遇な投獄生活を経験しましたが、文革後に釈放されてその名誉が回復し、現代では作品だけではなくその教育思想も見直されています。1971年没。
一見、どこでも見られるありふれた草花ですが、その構図や余白の使い方に潘天寿らしい独自の工夫と大胆さが見られる名作です。水墨の濃淡を上手く使いながら、躊躇なく赤や青などの鮮やかな色彩を交えることで、草花の立体感を生命の息吹きを描いています。
荷花(蓮の花)をモチーフにした潘天寿の代表作の1つ。大胆な水墨の使い方で蓮の葉が茂る様子を描きつつ、繊細なタッチで花弁を表現しています。両者の明瞭な違いによって生まれたアクセントが、絵画全体に命を吹き込みます。あえて露を誇張せず、筆致の力強さで露に満ちた雰囲気を表現している点も潘天寿らしい魅力。
雨上がりの山々の様子を、まるで鉄のように力強く雄大に描いた水墨画。老松や岩の大胆な配置、墨の濃淡と余白の工夫など、潘天寿らしい細やかな精神性が見られます。その独自の構図や筆致、重厚感には、師事していた呉昌碩の影響が、少なからずあるのかもしれません。
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