これから中国美術について知っていきたい人から、趣味にしたい人まで。中国美術を学びたい人のためのサイトです。
時代、ジャンル、中国美術を極めたい人向けの記事を豊富に用意しております。あなたが中国美術に触れる際の、お役に立てる入門書となりますように。
このサイトは本郷美術骨董館をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。
このサイトは本郷美術骨董館をスポンサーとして、全研本社が運営しています。
范曾(はんそ)は「現代中国画家の巨人」とも呼ばれている画家であり、日本との関係も深く1980年代には東京や大阪にて作品展を重ねたなどの実績を持っています。さらに1984年には岡山市西大寺に「范曽美術館」を開館しており、現在では年1回のペースで開館されています。日本で展覧会歴があることから日本国内で多く収蔵されています。
江蘇省南通市に生まれた人物であり、はじめは南開大学にて歴史を学んでいましたが、そののちに中央美術学院で中国画を学び始めます。1979年には「栄宝斎代表団」とともに来日し、東京や大阪で作品展を開催したという実績を誇ります。その後1986年以降はアメリカやドイツなどの諸外国で作品展を開催するようになり、日本の各地においても個展が開催されるようになりました。岡山市西大寺には個人美術館である「范曽美術館」が設立されたことも含め日本とゆかりの深い画家として知られており、書作品も数多く制作していながら「中国人物画の鬼才」と評価されており、中でも人物画が賞賛されている画家です。
中国春秋時代の哲学である老子が「出関=税関を抜ける」という図を描いた作品となっています。范曾はこの故事を好んだらしく、何度も画題にしているほどです。老子の悠然とした立ち姿とのっそりと歩く牛がしっかりと表現されており、簡素ながらも力強い筆致で描かれた作品として広く知られています。
道教の神とも呼ばれている鍾馗の姿を描いた作品となっています。 鍾馗は、病気を打ち払うほか学業成就の霊験がある神として知られており、范曾が手掛けたこの作品では厳粛な表情をした神がどっしりと水牛にまたがりながら、神威を気高く表している様子を迫力たっぷりに表現しています。
范曾の作品の中でも突き抜けた明るさや健やかさ・爽快感が魅力の作品です。無駄のない線ややわらかな色づかい、程よく伸びやかな奥行き・空間を土台とした作品であり、絵葉書などの商品としても販売されています。袖を躍らせたてがみを揺らし、岩肌をなでる風や草木の香り・蹄の音をリアルに表現しており、登場人物の多くが笑みを浮かべているその躍動感が、邪を払い活力を与えてくれるようにすら感じられる作品です。
監修本郷美術骨董館

「やさしく解説!みんなの中国美術入門」は、骨董品買取の専門店として40年以上の実績を誇る本郷美術骨董館が監修しています。
公式HPはこちら