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石魯 (せきろ)

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石魯 (せきろ)は、1919年から1982年にかけて独自の境地を切り拓いた中国現代絵画の画家です。本名を馮亞珩(ふうあこう)といい、四川省仁寿県に生まれました。

石濤と魯迅の精神を慕い、両者の名前から一字ずつ取って「石魯」と号したとされます。

山水・花鳥・人物のいずれにも力強く鋭い筆致で、20世紀の中国画壇に確かな足跡を残し、多才な巨匠の一人として知られています。

「書画に革命をもたらした」石魯の生い立ち

石魯は少年期、成都の東方美術専科学院で絵画の基礎を学び、伝統的な筆墨の技術と感性を磨きました。1940年代に入ると、共産党の革命根拠地であった延安へと赴き、版画や挿絵・連環画などの大衆に向けた表現活動を行います。この延安での経験が、のちの画風を形成する土台となりました。

その後中国画へと転向し、活動の拠点を陝西省に定めます。黄土高原の雄大な風土と人々の暮らしを画題に据え、趙望雲とともに長安画派を創設しました。

「一手は伝統へ、一手は生活へ」という理念は、長安画派の創作指針として広く共有され、多くの後進にも影響を与えています。石魯の思想性と革新的な作風から、中国美術家協会常務理事や陝西省国画院名誉院長などの要職を歴任しています。

代表作

  • 転戦陝北
  • 石魯が画壇での評価を確固たるものとした代表作の一つ。1947年、毛沢東が陝北の黄土高原を転戦した史実を題材に描かれました。切り立った崖と広大な大地が広がり、人物は極めて小さく描かれながらも強烈な存在感を放っています。大胆な構図と力強い筆墨が融合し、革命リアリズムと伝統的山水画の統合として、中国近現代絵画市場の名品にも位置づけられています。

  • 家家都在花叢中
  • 陝西省の農村に暮らす人々の日常を、色鮮やかな花々とともに描いた作品。山水や革命的題材とは異なる穏やかな情感が全面にあふれ、石魯の画域の幅広さを示しています。

    人と自然が共生する生活の風景を詩情豊かに表現し、花鳥画の情緒と力強い人物描写を融合させています。

  • 芙蓉荷花·行書四言聯
  • 文化大革命による迫害の中、屋外での写生の自由を奪われた石魯が、荷花(蓮の花)と芙蓉への表現の場を移して制作した作品。絵画部分と行書が一組となった複合作品で、黄土高原で鍛えた荒々しくも奔放な筆墨が、画面に凝縮されています。泥の中にあって染まらぬ蓮の高潔さに自らの境遇を重ね、逆境への意思を静かに宿した一幅。絵画と書が共鳴し合う構成は、石魯が書家としても高い筆致と精神性を備えていたことを物語っています。

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