これから中国美術について知っていきたい人から、趣味にしたい人まで。中国美術を学びたい人のためのサイトです。
時代、ジャンル、中国美術を極めたい人向けの記事を豊富に用意しております。あなたが中国美術に触れる際の、お役に立てる入門書となりますように。
このサイトは本郷美術骨董館をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。
こちらの記事では、現代中国絵画の巨匠ともいわれ特に優れた花鳥画を描いたことで知られる画家・唐雲(とううん)について紹介していきます。唐雲の生い立ちなどに加えて、代表作についてもまとめていますので、中国芸術に興味がある方はぜひ本記事をチェックしてください。
唐雲は1910年生まれの浙江省杭州出身の書家・画家です。別号は侠塵・大石・葯城・葯翁・老葯・大石翁、画室を大石齋・山雷軒と称していました。
家庭の影響もあり、幼い頃から古代伝統絵画を非常に好んでいた唐雲は、石濤・八大山人らに加えて、その影響を受けたとされている呉昌碩・斉白石らの書画を多く収集し、その画風を学んだといわれています。
その中でさまざまな作品を残していますが、特に花鳥画の優れた伝統を自身の画に取り入れ、さらに独自の画風を樹立しています。その画風は、重厚でありつつも生き生きとした描画が特徴となっていて、色彩には自然な鮮やかさが感じられます。そのほか、唐雲は山画や人物も描いていたことに加えて、書家としても作品を残していることでも知られ、草・篆・行書を得意としていました。
生前さまざまな芸術作品を残していますが、杭州にある唐雲芸術館には唐雲の家族から寄贈されたさまざまな作品や、生前集めていた収蔵品が数多く展示・収蔵されています。
幼い頃から絵画を好んでいたものの芸術専門学校では学びませんでしたが、1930年代より長年美術教育の仕事に従事しました。古典絵画や絵画史にも詳しく、鑑定にも長けていた唐雲は、上海美術家協会副主席や上海博物館鑑定委員、中国美術家協会理事、上海文化物保存委員、上海中国画院名誉院長といったように、芸術に関わるさまざまな職務を歴任しました。
また、全国美術展や上海市美術展に何度も作品を出品しており、「人民日報」が唐雲の作品を発表したこともあります。1979年に福岡市美術館の開所式が行われた際には、芸術交流のために来日しました。1993年没。
花鳥・人物画を得意とした唐雲の代表作「雄鷹図」です(描かれた年代やサイズ等詳細情報は見つけられませんでした)。
監修本郷美術骨董館

「やさしく解説!みんなの中国美術入門」は、骨董品買取の専門店として40年以上の実績を誇る本郷美術骨董館が監修しています。
公式HPはこちら