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ここでは、中国磁器の中でも高い人気を持つ永楽窯について解説しています。
永楽窯(エイラクヨウ)は、明代の第2代皇帝である永楽帝の時代に作られた官窯で焼かれた磁器です。中国史の中でも、約300年に渡って続いた明代は美術や芸術が大きく発展した時代となります。ただ、磁器そのものは中国で古くから作られていましたが、基本的には首都のそばに官窯を作るのが一般的でした。
そんな中、明代、永楽帝は「景徳鎮」という場所に各地から陶工を集め、官窯を作ったとされています。景徳鎮は焼き物に向いた良質な土が取れる地域だったので、その後約500年もの間皇帝や宮廷御用達の磁器を作り続けることになりました。
永楽窯は、中国史に残る数々の名磁器を生み出した景徳鎮の初期にあたる作品ということもあり、非常に高く評価されています。中国磁器の基礎となる技術や模様などがたくさん開発された時代の作品であり、歴史的にも貴重なので、良品は高値で買取されることが多いです。
永楽窯は、1403年から1424年に作られた磁器を指します。中国の青花磁器や釉裏紅などは明の前の時代である清代に基本が固まっていましたが、治世の落ち着いた永楽帝の時代にはより作るのが難しい繊細な絵柄や、戦時中では壊れてしまう大皿や瓶など大きなものも数多く作られました。
などが高く評価されているため、永楽窯は骨董品の買取市場で人気が高く、金額的にも高く取引されています。本物の永楽窯なら、小さな作品でも数十万円の値がつくことも珍しくはありません。
永楽窯は、見分けるのが非常に難しいです。理由としては、磁器が作られた年代やどの官窯で作られたかが分かる落款・銘款をしっかり入れるようになったのが第5代皇帝以降の作品であること。実験的な作品も多く、「永楽窯はこのデザイン」という決まった形がないため、素人が見分けるのは簡単ではありません。
また、有名なだけに後世の作品や贋作も多いです。家にある磁器が永楽窯かどうか気になったら、ぜひ一度プロの買取業者に査定してもらいましょう。
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