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四大奇書が生まれた時代の洪武について紹介します。
洪武とは「中国、明の太祖(光武帝)時代の年号。1368年~1398年。洪武銭の略。」のことを指します。
朱元璋が皇帝になり、始まった時代で、農民当地権力を作り上げた人物としても知られています。というのも、朱元璋は、農民から皇帝にまで上り詰めた数少ない人物だからです。
ちなみに、農民から皇帝になった人物は漢の「劉邦」のみとなっており、中国史上2人しかいない偉大なこととなっています。また、農村の復興策に長けていることでも有名です。農民反乱で荒れてしまった農村の回復に努め、これと同時に里甲制という行政組織を整えて租税台帳や土地台帳を作成し、租税徴収体制を整えることに成功しています。
皇帝になったきっかけは、紅巾の乱への反乱軍として加わったこと。独立部隊を任されるなど高い能力を発揮します。その結果、1356年に後の南京となる建康を占領することに成功します。
1368年~1398年の日本は「室町時代」となります。洪武が始まった1368年、足利義満(金閣寺を建てた将軍)が三代目将軍になり、日本でも歴史が動いた年でした。
さらに、将軍として在職したのは1394年までと洪武が終わった年と非常に近く、何か縁深いものを感じてしまうところです。
では、具体的には、どのような関係があったのか?洪武と室町時代の日本は良好な関係で、積極的に貿易を行っていました。生糸を始め、布や水銀、針など様々な商品が日本では高く売れるからです。
この時代、実は、日本海で海賊が横行していましたが、そんな状態でも、日本と積極的に貿易を行っていたということは、関係性が良好だったと言えるでしょう。
農民から皇帝になったこともあり、一般大衆の文化レベルが押し上がった時代でもあります。
この時代まで、文化人は位の高い人間が中心となっていたため、一部しか文化レベルがあがりませんでした。しかし、陽明学(王陽明が「知識」「実践」を統一した学問)が出来上がったことで、大衆でも文化に触れる機会が増えました。
その結果もあってか、文芸面での躍進が目立ちました。存じている人も多いかと思いますが「三国志演義」「西遊記」「水滸伝」「金瓶梅」の4つからなる四大奇書が作られた時代です。さらに絵画の面では、董其昌が中国絵画の礎を築き今もなお評価されています。
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