これから中国美術について知っていきたい人から、趣味にしたい人まで。中国美術を学びたい人のためのサイトです。
時代、ジャンル、中国美術を極めたい人向けの記事を豊富に用意しております。あなたが中国美術に触れる際の、お役に立てる入門書となりますように。
このサイトは本郷美術骨董館をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。
ここでは、買取市場でも人気の高い、中国の麻雀牌について解説しています。
中国が発祥とされている麻雀。その起源にはいくつか諸説がありますが、未だ立証されているものはありません。紀元前6世紀頃に、中国の思想家として名を轟かせた「孔子」によって作られたという説が有名な話ですが、あまり有力とはされていないようです。有力な説として語り継がれているのが、清の時代に陳魚門という人物が、明の時代からあるカードゲーム「馬弔」と「骨牌」を組み合わせて作られたという話。厳密には、陳魚門自体が麻雀を作ったのではなく、様々なゲームが進化した結果、現在の麻雀が生まれたと言われています。
そして、その麻雀で使用する用具の一つに麻雀牌というものがあります。この麻雀牌が、現在日本の買取市場でも高い人気があり、特に中国で作られた希少価値が高い麻雀牌は、マニアの間で人気を集めています。
買取市場で人気の高い麻雀牌ですが、もちろんそのすべてに価値がつくわけではありません。麻雀牌の価値を決める重要な要素は、その素材にあります。
現在一般的に使用されている麻雀牌の多くは、ユリア樹脂とアクリル製で作られたものがほとんどです。しかし、起源とされている中国清の時代にはこれらの素材がなかったため、当時は象牙と呼ばれる、象の上顎に伸びた歯(牙)や鹿の角などを使用して作られていました。
しかし、ワシントン条約の影響で象牙の輸入が禁止となった現在では、この象牙で作られた麻雀牌がとても希少品として重宝されており、買取市場でも特に高値で取引されています。 一般的なアクリル製の牌なら、2,000~3,000円程度で購入できますが、象牙で作られた麻雀牌は高いもので30~50万円の値段が付くのだとか。
他にも、漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」で取り上げられたとして有名な、景徳鎮(中国の有名な陶磁器生産地)産の麻雀牌も高い価値があるとして人気です。
象牙で作られた麻雀牌に高い価値があることは分かりましたが、実際にそれが象牙で作られたものなのか、アクリル製なのかは素人にはなかなか判断できないものです。
ここでは、そんな麻雀牌の素材について、簡単な見分け方を紹介します。
まず、アクリルなどの合成樹脂で作られたものは、そのほとんどが機械で作られているため、すべての牌が均等の大きさになっています。一方、鹿の角や象牙の麻雀牌は、基本的に手彫りで作られているため、どんなに優れた技術を用いても、彫りの深さや大きさにはわずかな違いが生まれます。
この違いこそが、合成樹脂で作られた麻雀牌と鹿の角や象牙で作られた麻雀牌を見分けるための重要なポイントとなります。 さらに、鹿の角と象牙を見分けるには、麻雀牌の側面に注目してください。側面に黒い筋が出ている物は、そのほとんどが鹿の角など象牙以外の素材で作られたものです。
このように、中には希少価値の高いものがある中国製の麻雀牌ですが、その価値を測るにはもちろん状態の良さも重要なポイントです。欠けていたり汚れがついていたりすると、当然その分価値も落ちてしまうので注意が必要です。
自分が持っている麻雀牌の価値が気になる方は、一度買取業者などに査定を依頼してみると良いでしょう。
監修本郷美術骨董館
「やさしく解説!みんなの中国美術入門」は、骨董品買取の専門店として40年以上の実績を誇る本郷美術骨董館が監修しています。
公式HPはこちら