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南宋官窯は北宋から南宋へと移った時期につくられた官窯です。作品によって色や重量などは個性があり、日本にも輸入されています。
南宋官窯という名前は中国の歴史に大きな関係をもっています。960年に建国された北宋は、モンゴル系部族の契丹が建国した遼とお互いに侵入を試みることはあったものも、最終的には侵攻しないとすることで両国は維持されていました。しかし女真という一族が金という国をつくり、1125年に北宋とともに遼を滅ぼしたのです。
金と北宋は協力していましたが、対立したことで金に北宋を攻められる靖康の変が起きました。このときに逃げた北宋の皇帝である徽宗が南に逃げてつくった国が南宋です。
南宋ではそれまでの北宋の制度であった官窯を模したものを作っていたのですが、これが現在南宋官窯と呼ばれているものです。官窯は主に皇帝などで使用される陶磁器のため、一般的な民衆が使用していたものよりも非常に良い出来となっています。
南宋官窯やその前身ともいえる北宋官窯は、青磁釉と呼ばれる釉薬を使った中国磁気のなかでも特に非常に良いもので美しいものばかり。南宋官窯は当時に日本に輸入されていたことも調査からわかっています。
南宋官窯は主に2種類にわけられ、修内司窯と郊壇窯があります。修内司窯は澄泥の型でつくられ、釉薬は鮮やかで透き通っているような印象です。郊壇窯はそれまでの官窯とは異なるとされており、郊壇の下に使用されていたことから郊壇下新官窯とも呼ばれます。
南宋官窯は官窯であるため材料や規格などが決められたものだと考えられていましたが、実際には厚さや重さ、色合いなども個性があることがわかっています。そのためその仕上がりの特徴だけでなく、どのような材質で作られているかなどを専門家が確認しないと判断は難しいでしょう。日本に輸入することを目的として作られたとされているものもあり、そうしたなかには高麗青磁などと墨で書かれていることがあります。
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