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明代、躍動感あふれる水墨花鳥画を数多く残し、呂紀と並んで「花鳥画の2大大家」と称された林良。2008年に中国で行われたオークションでは、代表作の1つ「松鶴延年」が690万元(約1億円)で落札されるなど、現代でもなおその作品群は中国美術界で注目され続けています。
当ページでは、林良の生い立ちや活動、作風、代表作などをご紹介しています。
林良は明代中期、1450から1487年ごろに活動した中国画家です。広東省南海郡(現在の広州市)出身と伝えられていますが、詳しい生没年については知られていません。
師匠は顔宗と何寅于。同じ広東省出身の画家で、それぞれから山水画と人物画を学び、自らの腕を磨いたと伝えられています。
活動前期は宮廷画家として、着色花鳥画を数多く制作しました。また活動後期は画院へと転じ、躍動感あふれる水墨花鳥画を精力的に制作しました。写実的な花鳥画で知られる呂紀とは異なり、林良の作風は写意的で、作風の異なる2人は、やがて「花鳥画の2大大家」と評されるまでになりました。
なお林良は、画家として活動する一方で絵画学校を設立するなど、後進の育成にも熱心に取り組みました。
没骨法(輪郭を描かない写生法)により自然の木々や鳥を描いた林良の代表作の1つ。繊細な筆致に加え、鳥の足や顔、木々の葉などに配された鮮やかな色彩も印象的です。上海美術館所蔵。
優美な鳳凰が日輪を見つめる様子を描いた林良の代表作の1つ。明代より、たびたび鳳凰は絵画の題材として登場するようになりましたが、数ある一連の作品群とは一線を画す風格がただよいます。相国寺(京都)所蔵。
獲物となる九官鳥を見つけて急降下する鷹を描写。呂紀の作風とは異なり自然の背景を描かず、あえて2つの対象物のみに鑑賞者の目を集中させることで一瞬の緊張感を表現。水墨一色で描いた豪快な作品です。
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