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こちらの記事では、中国の画家である王雪涛(おうせっとう)を紹介しています。どのような生い立ちの画家なのか、また代表作についてもまとめていますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
王雪涛(おうせっとう)は、1903年に現在の中国・河北省で生まれた、近現代の中国を代表する画家のひとりです。花鳥画や鳥獣画を得意としていますが、中でも色鮮やかな牡丹を描くことから「牡丹王」とも呼ばれています。
幼少時から絵を描くことを得意としていた王雪涛は、20代に入ると前北京国立芸術学院に入学して絵画を学びました。当初は西洋絵画を専攻していましたが、後に中国画を専門とする学科で伝統的な中国絵画について学んでいます。前北京国立芸術学院を卒業した後は絵画講師となり、母校での講師・教授を務めました。
また、王雪涛は中国の絵画界で巨匠として知られていた斉白石を師として花鳥画や鳥獣画を学んでいます。このように、絵画について学び、多くの作品を制作していた王雪涛は中国美術家協会の理事などを歴任しました。国外に中国美術の素晴らしさを発信していく活動にも携わっており、1956年には中国文化代表団のヨーロッパ訪問の際には王雪涛も同行。この訪問ではパブロ・ピカソとも交流をしました。パブロ・ピカソは王雪涛が制作した作品を気に入ったことから、王雪涛のために描いた絵を贈ったとされています。
王雪涛が描く作品は、西洋画と中国の絵画技法の両方を学んだことが生かされている仕上がりとなっている点が大きな特徴。西洋風のアレンジが加えられ、独自のツヤが感じられる絵画となっています。
「雉鶏」は雪原に佇んでいるキジが描かれた作品です。この作品のキジはしなやかな羽毛に覆われ、生き生きとした様子が伝わってきます。また、キジは清らかな銀世界におり、その背景では赤い花が艶やかに描かれている点も目を引かれます。自然の息遣いが伝わってきそうな印象を受ける作品となっています。
タイトルの通り、牡丹が描かれた作品です。牡丹の花びら1枚1枚を繊細に描いており、まるで絵を通してその香りが伝わってきそうな点が印象的です。まさに、「牡丹王」という名にふさわしい作品であるといえるでしょう。
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